四畳半神話大系
――責任者はどこか!
ジャンル: SF、ラブコメ、青春
あらすじ
下鴨幽水荘。叡山出町柳裏にある下宿である。人から聞いた話によると幕末の混乱期に焼失して再建以後そのままであるという、窓から明かりが漏れていなければ廃墟同然、何も知らずにここを訪れた者は、九龍城に迷い込んだのかと思ってしまうというのも無理からぬ話だ。この今にも倒壊しそうな下宿に起居する私は、大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。
私とて大学入学当初からこんな有様だったわけではない。高校時代は特にクラブ活動もせず、同じような非活動的な男達とくすぶっているばかりであったが、晴れてピカピカの大学一回生、友達百人できるのも悪くないと思っていた私は数々のサークルが個人の情報処理能力を遥かに凌駕する無数のチラシを差し出す大学の時計台へと足を向けた。そこには光り輝く純金製の未来が扉を開いているように思われた。そのどれを選んでも「薔薇色のキャンパスライフが、黒髪の乙女が、そして全世界が約束される」と思っていた私は、手の施しようのない阿呆だった・・・。
もしあの時違うサークルを選んでいたならば、黒髪の乙女と薔薇色のキャンパスライフを送っていたに違いない!
四畳半神話大系とは (ヨジョウハンシンワタイケイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
評価
ストーリー :★★★★★ 意外性 :★★★★★
キャラクター :★★★★★ アクション :★★★★☆
世界観 :★★★★★ ギャグ要素 :★★★★★
評論家気取れ度:★★★★★ 音楽 :★★★★☆
見切り基準:4話
感想
アニメらしくないアニメの代表格。小説を読んでいるかのような語り口で展開される物語は、本読みにはどこかなじみ深く、アニメに食傷気味の人には新鮮だろう。
見始めて数話で多面的に物語が進んでいるように感じられたなら思い上がりも甚だしいと自省しよう。それは全話視聴した後でこそ成せる思慮で、そこに至ってみれば初見での憶測など、単に踊らされていただけであることに気づくからだ。視聴し終えた後でこそ、登場人物達の強すぎる灰汁がより味わい深い塩梅に感じられる。貴重な時間をドブに捨ててでも見る価値はあるだろう。
京都に少しでもなじみある者なら、わずかなシーンであってもそこが京都のどこであるかがパッとわかる描写であり、どことなくほくそ笑んでしまうだろう。
また桜の季節に京都に行きたくなるアニメでもある。あとは明石さんの出番がもう少しあればなぁ…。
◇このアニメを視聴した人への無難なおすすめ
◇別視点からのおすすめ
監督:湯浅政明
構成:上田誠
制作:マッドハウス
音楽:大島ミチル
話数:11話